2025/07/09 17:21
フィルムカメラとは、フィルムを使用して撮影するカメラのことである。
デジタルカメラにはイメージセンサーがあり、レンズを通してセンサーに当たった光を電気信号としてSDカード等の媒体に記録するが、フィルムカメラの場合にはフィルムがセンサーと記録媒体を兼ねている。
フィルムに光が当たると化学反応が起きる。光の色と強さによって、フィルム上に塗られた無数の粒子が反応を起こす。これに現像という化学的処理を施すことによって、反応の結果をフィルム上に定着させることができる。
現像したフィルムを写真の形にするためには、印画紙という、フィルムと似た性質を持った紙に写真を焼き付ける必要がある。映画館のスクリーンに映写機が光を当てるようにすると、印画紙に写真が転写される。現像済みのフィルムさえあれば、何枚でも同じ写真を焼き増しすることができる。また、写真を大きく引き伸ばすこともできる。
未現像のフィルムや未使用の印画紙を光に当ててしまうと、それは使い物にならなくなってしまう。言い換えれば、全て真っ白な写真に上書きされてしまう。なので現像やプリントは暗室で行う必要がある。
デジタル写真は電気信号、フィルム写真は化学反応である。そして、フィルムに適切な化学反応を促す光を当てるための仕組みを持っているのがフィルムカメラである。